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鳥啼く頃に

短編小説

No.17

すもももももももものうち


 食べて良いすももがあったので丸かじりをしていた。

「なに? それ」
「すももだよ。プラムとも言う。めちゃ甘い」

 試しに一個渡してみた。

「表面を水で洗ってそのまま食べてみ」

 やや落ち着かない手つきで水洗いをし、ちょっと果実を見つめると、ぱくりとかじりついた。

「! 甘い」
「甘いよね~。お菓子みたいに甘い」

 種の周りをむしゃむしゃとかじり取る。瑞々しくて果汁が出るが、食べづらいというほどでもなかった。

「早口言葉であるよね。すもももももももものうちって」
「すもももも……?」

 たぶん初めて聞いたであろう言葉に混乱している。可愛いな。

「言えそう? すももも、ももも、もものうち」
「歌詞なら歌えるけど」
「そらそうだろなあ」

 種だけになったので捨てに行く。まいきぶいくんも私にならって最後まで食べきったようだった。

「すもももかなりピンクだよね~。濃い薔薇色というか。まいきぶいくんはこういう色好き?」
「見ると落ち着くかな」
「自分の髪の色と近いもんね」

 彼の髪はかなりマゼンダだったけど、メッシュはもう少し濃い赤色をしていた。

「プロデューサーはこの色好きなの?」
「ん~、ピンクもマゼンダも薔薇色も好きだよ。好きな子の色だし、可愛いし」
「そうなんだ」

 あ、ちょっと嬉しそうだな。可愛いとこあんじゃん。
 最近歌うとき以外の表情がわかるようになってきた気がする。普通にまいきぶいくんが感情を得るようになったのかもしれない。

「あ、そうそう。昨日試しに歌ってもらった歌、明日以降ちょっとずつ指導していくからね」
「わかった。任せて」

 歌うこととなると頼もしい顔をする。彼のあの歌が磨かれていくのが、楽しみだな。

#MYK_IV #日記


二次創作

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