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鳥啼く頃に

短編小説

No.13

嘘吐きの才能


「あ~、そういえば今日はエイプリル・フールだったねえ」

 不意に思い出したことをつぶやくと、まいきぶいくんは聞きなれない言葉に関心を持ったようだった。

「エイプリル・フール?」
「ちょっとした笑える嘘をついて面白がる日だよ」

 しばし沈黙が流れる。

「ひょっとして嘘考えてる?」
「笑える嘘って難しいな……」
「別に無理して嘘吐かなくてもいいのよ、嘘吐いても良い日ってだけだから」

 まいきぶいくんは俯き気味に、やや真剣そうな顔をしていた。それから何か思いついたようで、顔をあげた。

「プロデューサー」
「なあに」
「オレ、プロデューサーのこと好きだよ」

 間。

「……嘘だったりしない……?」

 不安になって問いかけると、まいきぶいくんは私の顔を見て動揺していた。

「いや、えっと、笑える嘘って聞いたから、嬉しくなることを言えばいいのかと思って」
「それは嘘と違うんよ」

 不安になって損した~! でも嘘じゃなくてよかった!

「まあでも私を笑わせたかったんだね、ありがとう。私もまいきぶいくんのこと好きだよ」

 私のセリフを最後まで聞いて、まいきぶいくんは安心したように微笑んだ。

 九か月の子には嘘吐きイベントは早かったかもしれないな。私が嘘吐く才能あったら思いっきり騙してたかもしれん……私に嘘吐きの才能がなかったことに安堵してほしいよ。言わないけどね!

#MYK_IV #日記


二次創作

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